ただ流れに乗ればいい

わがままで、身勝手で、つねに自分の都合を優先させるような人間になること。キャリアの長さ、実績の有無、すべて関係ありません。
「先にそのように振る舞うことで、本当にそれに値する人間に近づくということ?」・・・そうでもありません。
気づいてほしいのは、たった一つのシンプルな事実。
 あなたは「すでに」、そのように振る舞っても大丈夫な人間だということなのです。
 忘れていた自分の素晴らしさを「思い出す」ということだけですよ。

人生の濁流に飛び込む勇気

 成長なんて、放っておけば自然としてしまうもの。
 でも、やっぱり、つい成長しようとがんばってしまう。がんばることが普通になっていると、がんばることをやめるのは、案外難しいものです。

 どうやったって成長してしまう流れ、いつの間にか大きな成長を引き寄せてしまう流れは、じつは、常に自分の周りにあります。
 だから流れに乗ればいい。
 あくまでも今の自分が見えている範囲内で、その範囲に収まる程度の成長を求めてがんばってしまう。
 
 もう、いいです。
 もう、がんばりません。踏ん張りません。目標も要りません。
 もうぜーーんぶ、行き先もわからない流れにお任せします。

 という、「死んでもいい」ぐらいの大損をする覚悟、それが「手放す」です。

すると、一気に濁流にさらわれます。想像もつかないような混乱もします。でも大丈夫です。というのも、人間の身体は水に浮くようにできているからです。浮き上がろうとして、もがくと溺れてしまいますが、思い切って力を抜いて流れに身を任せれば溺れません。
 これはあながち冗談ではなく、つまり、あなたはもともと流れに乗ることができるようになっているのです。

 その濁流がどのようなものであるかは、人それぞれです。
 おおきなチャンスや転機を想像するかもしれませんが、そうした明確なきっかけが訪れるとは限りません。その流れは、だいたい「大きな損をしそう」な流れだと思っておいたほうがいいです。
 ただ、大損する覚悟をしたときに、人は乗るべき大きな流れに乗るんだと考えておいてください。