しとしと降る梅雨の時期、しっとりと潤った大地。ひと雨ごとに鮮やかさを増す紫陽花。


降る雨をどのように受け取るかは、それぞれの都合。


どうすることもいらん
大きな手のひらの中で
いま 私は
しずかに降る雨を見ている。


私の都合に関わりなく、確かな事実の中にいるということ

 

 


渇けば渇くほどによく燃える。それは木くずたちのことなんだけど、
人の心もそうかもしれない。渇ききった心は水を求める。癒やしを求める。

火がつけばよく燃える。それは自分でも考えられないくらい。突飛な行動をするのかもしれない。

渇きとはなんだろうか、それは寂しさか、承認欲求か。


そんな難しく考えなさんな。

渇きとは渇きじゃよ。それ以外なんでもないのじゃ。


ぼくらは飢えていた。決して満たされることなんてない毎日の中で、心や身体は飢えに飢えきっていたのだった。

だから求める。


何を求めているのか、もはや分からないくらいに彷徨い歩き、ここではないどこかへ行こうとする。その先になにかあると信じ続けて。


なにかにすがったとき、なにかの温もりに触れたとき、この旅は終わるんだろう。