アドラー

人間にとって最大の不幸は、自分を好きになれないことです。
この現実に対して、アドラーはきわめてシンプルな回答を用意しました。
すなわち、
「わたしは共同体にとって有益である」
「わたしは誰かの役に立っている」
という思いだけが、自らに価値があることを実感させてくれるのです。


自己への執着を他者への関心に切り替えていくのです。

 

 

ニートや引きこもりは仕事がしたくないのではなく、労働を拒否しているのではなく
ただ「仕事にまつわる対人関係」を避けたいがために、働こうとしない。
核にあるのは対人関係。

考えるべきは関係の距離と深さ。


人は「この人と一緒にいると、とても自由に振る舞える」と思えた時、愛を実感することができる。

アドラーは、さまざまな口実を設けて、人生のタスクを回避しようとする事を指して
「人生の嘘」と呼びました。


あなたのライフスタイル(人生のあり方)を決めたのは、他の誰でもないあなた自身という事実。善悪でも道徳でもなく、“勇気”の問題。

「所有の心理学」ではなく「使用の心理学」
なにが与えられているかではなく、与えられたものをどう使うか。

 


自己への執着を、他者への関心に切り替えていくのです。

「私」に執着している人は、すべて自己中心的です。


自分の人生の主人公は「わたし」である。
しかし「わたし」は、世界の中心に君臨しているのではない。

 

所属感とは、ただそこにいるだけで得られるものではなく、共同体に対して
自らが積極的にコミットすることによって得られる。

 

 

 

人生のタスクに立ち向かうことです。
わたしはこの人に何を与えられるか?

所属感とは、生まれながらに与えられるのではなく、自らの手で獲得していくものなのです。


もっと別の共同体があること。
特に、もっと大きな共同体があること。
「より大きな共同体の声を聴け」
という原則です。

 

関係が壊れることだけを怖れて生きるのは、他者のために生きる不自由な人たちです。

目の前の小さな共同体に固執することはありません。

 

どうすれば人は勇気を持つことができるか?

アドラーの見解はこうです。
「人は、自分には価値があると思えたときにだけ、勇気を持てる」


人は「わたしは共同体にとって有益なのだ」と思えたときにこそ、自らの価値を実感できる。


つまり、他者に働きかけ、
「わたしは誰かの役に立っている」と思えること。
他者から「よい」と評価されるのではなく、自らの主観によって
「わたしは他者に貢献できている」と思えること。

 

まずは他者との間に、ひとつでもいいから横の関係を築いていくこと。
誰かひとりでも横の関係を築くことができたら、ライフスタイルは大転換です。


いま、ここを真剣に生きる。


「自己受容」「他者信頼」「他者貢献」

肯定的なあきらめ
“変えられるもの”と“変えられないもの”を見極める。